こんにちは。
突然ですが、皆さんの中に、次のような方はいらっしゃらないでしょうか。
新入社員A子さん
「経理に配属されたけど経理に関するイメージがない」
体育会系のB男さん
「これまで営業職をしていたが、突然経理に異動が決まった」
このコラムはこのような方々に向けて書いています。
「文系の自分でもちゃんと仕事ができるかな」「そもそも経理の現場ではどんなことをするんだろう」という不安やお悩みを抱えたことが経理に配属された人なら一度はあるのではないかと思います。
経理の仕事についてざっくりとしたイメージを持つことができれば、そのような不安やお悩みを少しでも解消できると思います。
また、同様の内容が動画版でもご覧いただけます(動画版は経理実務 入門#01はじめに・経理の仕事紹介)。
動画版は、会計士YouTuberくろい先生がより楽しさを重視してわかりやすく解説しています。
ただ動画版は20分程度かかるので、「時間がないよ〜」「自分のペースでガンガン進めたい」という人にはコラム版をお勧めします。
それでは早速本題に入っていきましょう。
目次
1.経理の魅力
そもそも経理のイメージがない人が多いと思います。
経理の業務を端的に言うと、裏方として会社の運営を行うことです。
営業のように直接利益を生み出す業務をフロントオフィスと呼びます。
対して、フロントオフィスをサポートしたり、さまざまな会社として必要なさまざまな手続きを行ったり、会社の運営を担う経理はバックオフィスと呼ばれます。
一見、営業の方が華やかで魅力的に思えます。
しかし、経理は経営管理の略で、「ヒト・モノ・カネ」を管理するバックオフィス業務全般を担うため、経営者目線で会社を見たり、経営者の近くで仕事に取り組むことができます。
それに加え、会社の経営に携われることや将来を担っていることに大きなやりがいを感じられます。
営業とは別の経理ならではの魅力があると言えますね。
📍POINT
経理とは経営管理の略で、以下の2点が魅力的です。
①経営者目線で会社を見たり、経営者の近くで仕事に取り組むことができること
②会社の経営や将来を担っているというやりがい
2.経理の全体像
会社の黒子的存在な経理ですが、大別すると3つのパターンに分けられます。
パターン①
企業の中に経理部などの部署はなく、経理業務を毎月3〜5万円程度で会計事務所に経理業務委託で外注する形態です。アウトソーシングと言われます。
経理の中でも最も多いパターンです。とても意外ですよね。
蛇足ですが、裏を返せば、この状況は経理人材が不足している会社が多いことを表しています。
つまり、簿記資格を習得することは希少な人材になれると言えますね。
パターン②
企業の中に経理部門を作り、正社員が経理をする形態です。
パターン③と比較して企業単体の経理であることから単体経理と呼ばれることもあります。
IPO(株式を公開して上場させること)直前の会社に多く見受けられます。
パターン③
親会社・子会社それぞれに経理部を設け、親会社経理・子会社経理に分けて経理をする形態です。
近年、企業の複雑化に伴い、親会社と子会社に会社を分けるケースが多くなっています。
親会社も子会社も基本的には業務の内容が同じですが、会計処理に特色があり、スキルが必要になるため、親会社経理では、連結経理部という特別な部署を置く会社もあります。
パターン②の単体経理では、企業単体の業績を管理しておけば良いのに対してパターン③の連結経理では、グループ企業として業績を管理する必要があります。
「いきなり業績の管理?難しそう」と思った方。
配属されたばかりの経理初心者が企業の命運を左右するような業績管理を丸投げされることは原則ないので心配は無用です。
しかし、経営管理を担う経理として、自ずと業績の管理を任される日が訪れますので、そのための準備と日々の学習が大切です。
上記のパターン①〜③に加え、上場しているか否かによって経理が担う仕事は異なっていきます。
有価証券報告書の作成などの開示書類の作成を法律で求められるためです。
また、経理のキャリアプランとしては以下の2つが一般的です。
①1つの企業でさまざまな業務を行いゼネラリストになる
②企業に依存せず転職を視野に入れたスペシャリストになる
「会社に依存せずとも自分の力で稼ぐ力を持ったスペシャリストとしてのキャリアに興味がある」方は、将来的に今の会社の経理以外の形態への転職もあり得るので頭に入れておくと良いと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
📍POINT
経理の形は、経理部・上場・子会社の有無によって多種多様です!
3.経理の業務
経理の形が多種多様であるということがわかりましたね。
経理部の仕事内容も千差万別なのかと思いきや、実際に現場で行われる経理部の仕事や年間のスケジュールは大体同じです。
以下では、パターン②かつ非上場企業の経理部の業務(いわゆる中小規模の経理部の業務)を想定しつつ解説していきますが、経理部に配属された方であれば誰でも役に立つ知識ですので、ぜひご覧になって、現場に行くまでにしっかりとイメージを持っておきましょう。
経理部と聞くと、図の通り、「営業部が契約を獲得して、請求書や契約書を作成、経理部はそれをもとに会計システムに伝票を入力する」という仕事をイメージすると思います。
しかし、経理部の仕事はそれだけではありません!!
その他にも色々な仕事があり、具体的には、以下の5つが挙げられます。
①労務管理:給与や残業代の計算。従業員が働き過ぎていないかの管理を行います。
②資金管理:会社にお金が十分にあるかの管理。足りなければ借入の判断を行います。
③資産管理:固定資産税などを払うため、会社にどのような資産があるかを把握します。
④決算業務:年次や月次で経営成績と財政状況を確定します。
⑤税務申告:経営成績と財政状況を確定した後で、税金の支払額を計算します。
以上から、経理の業務は「ヒト・モノ・カネ」の管理を非常に幅広く行うことがわかります。
経理人材の中には、これらの業務をたった1人で引き受けているという人もいます。
上場企業や大手企業など会社の規模が大きくなればなるほど、経理部の人は増加し、部署ごとに分業されます。
仮に1人で経理業務全般を引き受けている方、不安や多忙がつきものだと思いますが、その対価として、必ず、今後のキャリアで生かされる経理の知識やナレッジが身に付きます。。
一方で、上場企業や大手企業で働いている方の場合、経理の業務の一部しか担当しないこともあるため、今の会社で得たスキルが転職後の会社では使えないというケースも往々にしてあります。
だからこそ、CPA learningの経理実務コースを学ぶことで、経験していない経理の業務でも「知っている」「イメージできる」状態にすることで転職後も活きる知識を習得でき、他の方との差別化もできます。
ぜひ、学び続けましょう。
📍POINT
経理の業務は「ヒト・モノ・カネ」の管理を非常に幅広く行います!
CPA learningの経理実務コースを学び、知識やナレッジを身につけていきましょう。
4.経理の具体的業務
次は、さらに細かく経理の業務について見ていきましょう。
経理の業務は、大きく次の4つに分けられます。
現金・預金の管理などの毎日行う日次業務から、従業員の採用・退職手続きといった発生の度に実施する都度業務までこなしていて、本当に幅広いですね。
📍POINT
経理の業務は、日次・月次・年次・都度に定型的な業務を行います!
5.経理の年間スケジュール
最後に経理の年間スケジュールを見ていきましょう。
日次・月次の業務とは別で、年次業務は1年に数回のものが多く、スケジュール通りに行われます。
例えば、3月決算の会社の場合を想定すると以下のようになります。
4月:年次決算
5月:法人税の申告納付、消費税の申告納付、株主総会
6月:住民税の納付(納期特例12〜5月分)
7月:所得税の納付(納期特例1〜6月分)、社会保険料算定基礎届けの提出、労働保険料の年度更新
8月:特になし
9月:特になし
10月:特になし
11月:法人税の中間申告・納付
12月:住民税の納付(納期特例6〜11月分)、年末調整
1月:所得税の納付(納期特例7〜12月分)、法定調書の提出、償却資産税の提出
2月:特になし
3月:実地棚卸
3月決算の会社の経理で特に重要な時期は、4月、5月です。
この時期は、決算書の作成や報告の準備が待ち構えているため、特に忙しいシーズンとなっているからです。
📍POINT
「そもそも決算とは?」と思う方も当然いると思うので、簡単にお伝えします。
決算とは会社の収益と費用を計算してまとめた数字を書類にすることです。つまり、通信簿のようにそれさえ見れば会社の成績(会社の財政状態と年間の業績)を知ることができる書類を作ります。
この書類を決算書と呼びますが、投資家や銀行、国といった利害関係者だけでなく経営者にとって大切な情報です。
だから決算が重要なのです。
それ以外にも、税金の納付時期(7月、12月、1月)は書類作成に追われるため比較的忙しくなります。
📍POINT
1年間を通じて一般的な経理の繁忙期は5か月間です。
また、「正直スケジュールを見てもどんなことをするのか不安だ」という方がほとんどなのではないでしょうか。
でも、大丈夫です!
CPA learningの経理実務コースでは、これらを学ぶことができます。
CPAラーニングなら簿記講座や実務講座など800本以上の講義が無料で見放題
経理業務は全体像がわかればもっと効率的に!
経理の仕事は、伝票起票や経費精算など細かな日次業務が多く、全体像を見失いがちです。
その結果「何のためにこの業務をしているんだろう」とモチベーションの低下に繋がることもあります。
そのため、経理の仕事は特に、常に全体像を捉えながら進めていかなければなりません。
イメージとしては日々の仕事を「点」ではなく「線」として捉えること。
毎日の仕訳にしても、何となく取引金額を入力するのではなく、自社や取引先の財政状態や経営成績を念頭に置いたうえで入力することが大切です。
こうすることで、自社が取引先・借入先に対して、適切に支払いができるのか、あるいは取引先・貸付先から適切に入金が行われるのかを、仕訳と同時に予測できます。
極端な例ですが、こうした「意識的」な仕訳を繰り返すことで、会社の経営状況が見えてきて、黒字倒産を未然に防ぐといったことも。
また、全体像を把握できていると、業務の優先順位を自ずとつけられるようになるので、仕事のスピードがぐっとあがっていきます。
簿記の学習などで体系的に経理の知識を身につけていくと、少しずつですが、確実に経理の全体像がつかめるようになってきます。
CPAラーニングで経理の「基本」から「応用」まで丸わかり!
CPAラーニングでは、無料で『簿記講座』や『実務講座』を受講することができます。
『実務講座』と一言で言っても、経理実務やインボイス制度を含んだ税務実務、財務実務、M&A実務、人事労務管理、Excel講座など多くの講座が存在します。
多くの業界で役に立つようなコンテンツとなっているため、学生から社会人の男女といった幅広い人材に利用されています。
なぜCPAラーニングで実務の「基本」から「応用」まで理解できるのか
実務のプロセスを「理解」する
CPAラーニングの講義では、受講者のみなさまが実務の要点を暗記するのではなく、理解できるように心がけています。
なぜなら、実務の要点を丸暗記するのではなく正しく理解することで、CPAラーニングの講義を通して学んだことを、自らの業務にも落とし込むことができるからです。
経理実務講座を例に挙げると、日次業務、月次業務、年次業務の流れをただ説明するだけではありません。
その業務をなぜそのタイミングで行うのか、その業務によってどの様な影響が会社にもたらされるのかという点についての説明に重きを置いています。
講師が公認会計士またはプロの実務家
CPAラーニングの講義は、公認会計士やプロの実務家などが担当しています。
公認会計士には、大手公認会計士資格スクール(CPA会計学院)の講師も含まれており、解説のわかりやすさには、定評があります。
また、プロの実務家の講師は、業界の最前線で活躍してきた方々なので、具体的な業務に結びつけた解説が「理解」の手助けとなります。
スキマ時間に勉強しやすい
CPAラーニングなら、お手持ちのスマートフォンやタブレットで学習が完結します。
最近リリースされた公式アプリでは、講義動画のダウンロード・オフライン再生が実装されました。
これにより、いつもの通勤・通学時間を活用して、効率的に学習を進めることができます。
CPAラーニングが完全無料で利用できる理由
CPAラーニングは、「日本の会計リテラシーを底上げしたい」という思いから始まったサービスです。
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7.おわりに
経理の業務について、ざっくりとしたイメージを持てましたか。
経理の道は所属する会社の種類や業務内容によって多岐に分かれ、それぞれ専門性や業務内容が大きく異なっています。
また、経理職は日々の勉強の積み重ねを求められるため、大変だと思う時期も正直あります。
しかし、経理はどの会社でも必要なスキルのため、経理に関する学習や実務経験を積むことで企業の中でも外でも活躍できる人材に確実に近づけます。
更に、経営者目線で会社を見ることができたり、経営者の近くで仕事に取り組んだりできること、会社の経営や将来を担っているというやりがいがあること、などたくさんの魅力があります。
キャリアアップや転職に成功している経理人材は業務時間外で自己学習を実践しています。
CPA learning経理実務コースでは、経理実務に必要なスキルを、公認会計士試験合格者の講師が1から教えます。
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経理の仕事に関してよくある質問
経理にはどのようなキャリアがあるのでしょうか?
経理では経営者目線で会社を見たり、経営者の近くで仕事に取り組むことができます。また、他の会社でも役に立つスキルが身につくため、多くの選択肢があるキャリアだと言えます。
経理は初心者でもできる業務でしょうか?
経理では業務を行いながら足りない知識を身に付けていくことになります。初心者であっても学び続けることで、成長ができる業務です。
経理の仕事の特徴は何でしょうか?
経理では会社の財務数値を扱うため、正確性が求められます。正しい知識を基に、正確な仕事が求められる仕事であると言えます。