例年、「企業が応募者に求める資格ランキング」第1位(引用:日本商工会議所 企業が求める資格)となる簿記資格。就職や転職において取得を目指す方も多いかと思います。
今回のコラムでは、そんな簿記資格を取得した場合の王道キャリアなどについて以下の目次の順に紹介していきます。
目次
簿記資格取得者の王道キャリア
簿記資格取得者の王道キャリアはズバリ、「経理職」と言えます。
【簿記 キャリア】とウェブ検索すると「経理」に関する記事がトップヒットするほど、簿記資格と経理の関連性が強いです。
これは、経理実務では簿記で学ぶ会計の分野がかなり活きることに起因します。具体的な経理の基本業務について次の章で見ていきます。
以下の記事では、人気資格である簿記資格と宅建士を取ることによる就活・転職でのメリットについて解説しています。簿記と宅建士で迷っている方は参考にしてみてください。
簿記2級と宅建士はどちらを取るべき?~両者を徹底比較、就職で役立つのは圧倒的に〇〇!~
経理の基本的な業務内容
経理の基本的な業務として、発生した取引や経費の出入金(過去のお金)を記録・管理することが挙げられます。具体的には、「出納」「起票」「記帳」「集計」です。
つまり、企業や組織のお金の流れを管理する「会計」業務の一部を担っています。
その他にも、以下のように様々な仕事があります。
◆労務管理 給与や残業代の計算、従業員が働き過ぎていないかの管理を行う
◆資金管理 会社にお金は十分にあるかの管理、足りなければ借入の判断を行う
◆資産管理 固定資産税などを払うため、会社にどのような資産があるかを把握する
◆決算業務 年次や月次で経営成績と財政状況を確定する
◆税務申告 経営成績と財政状況を確定した後で、税金の支払額を計算する
また、経理部の仕事の分類は以下のようにも分けられます。
以下の記事では、会社に必要とされる経理人材になるためにおすすめの資格を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください
経理に必要なおすすめ資格とは?徹底解説
経理における王道のキャリアプラン
簿記資格取得者の王道キャリアは「経理職」であることと経理の役割・基本業務について理解できたと思うので、次は具体的なキャリアプランを見ていきます。
①経理アシスタント
【参考資格】
簿記3級
【業務内容】
請求書や契約書をもとに、会計システムに伝票を入力、仕訳を起票
【特徴】
・経理の実務経験が無い方のスタートライン。
・2月、3月、9月の時期は、経理未経験者でも求人が増える。
【Step1への目安】
伝票の入力や仕訳の起票などの日次経理業務に慣れる
②日次経理~月次経理
【参考資格】
簿記3級~2級
【業務内容】
・請求書や契約書をもとに、会計システムに伝票を入力
・現預金管理、手形管理、売掛・買掛管理、帳簿への記入
【特徴】
・主に日次業務
・簿記の知識と実務スキルを身につけながら、徐々に月次業務の補助にも業務の幅を広げる
【Step2への目安】
経理としての実務経験1年以上
③月次決算に関する一連処理
【参考資格】
簿記2級
【業務内容】
・給与計算や社会保険料・所得税・住民税の対応などの月次業務
・売掛金・買掛金管理
・月次決算
・試算表や総勘定元帳、棚卸表の作成、年次決算準備の補助
【特徴】
・企業や各部門の経営状況を読み取る力も身につく
【Step3への目安】
・月次業務のマスター(一人でも月次決算の処理が行える)
・経理としての実務経験3年以上
④年次決算に関する一連処理
【参考資格】
簿記2級以上
【業務内容】
・年次決算(決算書作成や連結決算)
・年末調整や納税申告、償却資産税申告などの年次業務
【特徴】
・年次業務をマスターできれば、経理のプロ
・経営の意思決定に関われる「管理会計」を担当するチャンス有
上記のように、経理のアシスタント業務から始まり、日次業務~月次業務~年次業務と業務の幅を広げていくのが、経理の王道とも言えるキャリアプランになります。
また、以下の記事ではフリーランスの経理で働くために必要なスキルについて紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
フリーランスの経理で働くのに必要なスキルは?おすすめの資格も紹介
最後に
簿記資格を取得後のキャリアについて、イメージを持てましたか。
簿記資格取得者の王道キャリアはやはり「経理職」であり、一言に「経理」といっても業務は多岐に渡ることが分かったかと思います。
また、実務経験を積むことでより難易度が高く、会社にとって重要な業務に携われるようになります。だからこそ、今、自分はどのステップにいるのか、次のステップに進むためにはどんな経験・スキルが求められるのかを常に意識していることが大事ですね。
今回は、キャリアのステップアップについてご紹介しましたが、以下の記事では年収のステップアップについて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
【キャリア】(未経験者)経理の年収アップ戦略
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経理業務は全体像がわかればもっと効率的に!
経理の仕事は、伝票起票や経費精算など細かな日次業務が多く、全体像を見失いがちです。
その結果「何のためにこの業務をしているんだろう」とモチベーションの低下に繋がることもあります。
そのため、経理の仕事は特に、常に全体像を捉えながら進めていかなければなりません。
イメージとしては日々の仕事を「点」ではなく「線」として捉えること。
毎日の仕訳にしても、何となく取引金額を入力するのではなく、自社や取引先の財政状態や経営成績を念頭に置いたうえで入力することが大切です。
こうすることで、自社が取引先・借入先に対して、適切に支払いができるのか、あるいは取引先・貸付先から適切に入金が行われるのかを、仕訳と同時に予測できます。
極端な例ですが、こうした「意識的」な仕訳を繰り返すことで、会社の経営状況が見えてきて、黒字倒産を未然に防ぐといったことも。
また、全体像を把握できていると、業務の優先順位を自ずとつけられるようになるので、仕事のスピードがぐっとあがっていきます。
簿記の学習などで体系的に経理の知識を身につけていくと、少しずつですが、確実に経理の全体像がつかめるようになってきます。
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なぜCPAラーニングで実務の「基本」から「応用」まで理解できるのか
実務のプロセスを「理解」する
CPAラーニングの講義では、受講者のみなさまが実務の要点を暗記するのではなく、理解できるように心がけています。
なぜなら、実務の要点を丸暗記するのではなく正しく理解することで、CPAラーニングの講義を通して学んだことを、自らの業務にも落とし込むことができるからです。
経理実務講座を例に挙げると、日次業務、月次業務、年次業務の流れをただ説明するだけではありません。
その業務をなぜそのタイミングで行うのか、その業務によってどの様な影響が会社にもたらされるのかという点についての説明に重きを置いています。
講師が公認会計士またはプロの実務家
CPAラーニングの講義は、公認会計士やプロの実務家などが担当しています。
公認会計士には、大手公認会計士資格スクール(CPA会計学院)の講師も含まれており、解説のわかりやすさには、定評があります。
また、プロの実務家の講師は、業界の最前線で活躍してきた方々なので、具体的な業務に結びつけた解説が「理解」の手助けとなります。
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このコラムを読んでいるあなたにおすすめのコース
簿記資格取得者のキャリアに関してよくある質問
簿記資格を持っていると、どのようなキャリアアップが見込めるのでしょうか?
簿記資格を持っていると、会計や財務関連の職種での就職やキャリアアップが見込めます。例えば、簿記担当、財務担当、経理マネージャー、CFO(最高財務責任者)などのポジションがあります。
簿記資格取得者がキャリアアップするために必要なスキルは何ですか?
簿記資格取得者がキャリアアップするために必要なスキルとして、会計や財務の知識、数字の読み解き能力、分析能力、問題解決能力、コミュニケーション能力などが挙げられます。
経理はどのような業務を行うのですか?
基本的には発生した取引や経費の出入金を記録・管理を行います。具体的には、企業における「出納」「起票」「記帳」「集計」です。