簿記試験では、テキストをしっかりと読み、繰り返し問題を解くことも大切ですが、電卓に慣れることも重要なポイントです。簿記試験で役に立つ、電卓の便利な機能の使い方をくわしくご紹介します。
簿記試験の必須アイテムといえば電卓。簿記初心者は、とりあえず手元にあった電卓を使用している人も多いのではないでしょうか。
四則計算ができればいいと思っているかもしれませんが、電卓には覚えておくと簿記試験に重宝する機能がたくさんあります。
簿記試験でおすすめの電卓や便利なキーの紹介、早打ちするコツなどをくわしく解説します。
電卓の機能を正しく活用することは効率的に簿記の学習を進めるうえで、非常に重要です。
以下の記事では、簿記の学習の基本的な進め方を解説しているので、簿記を勉強しようと思っている方・勉強を始めたての方は是非一読ください。
簿記検定に合格するための正しい勉強方法とは?
目次
簿記試験におすすめの電卓は?
制限時間がある簿記試験では、電卓の計算スピードをあげることも大切です。使いにくい電卓を使用していると時間のロスにつながります。
簿記試験におすすめの電卓は、12桁表示され、ディスプレイが大きく見やすいものです。
また、簿記試験で使用が許可されている電卓であることも重要なポイントです。しかし、選ぶポイントがわかっても、電卓はたくさんあるので、迷ってしまいますよね。
まずは、代表的なメーカーである、カシオ・シャープ・キヤノンの、簿記試験におすすめの電卓をご紹介します。
カシオのおすすめ電卓:プロ用 実務電卓 ND-26S
カシオの「プロ用 実務電卓 ND-26S」は、日本電卓技能検定協会が推奨しており、簿記試験にぴったりの電卓です。
12桁表示ができ、日数計算や時間計算もおこなえます。コンパクトで置き場に困らず、持ち運びにも便利です。
商業高校や専門学校でも愛用者が多い学校用に作られた電卓「スクール 電卓 AZ-26S」とほぼ同じ機能を持っています。
簿記の上位級を目指す人だけではなく、経理や財務など仕事をしている人たちにも人気の機種です。
参考:Amazon「プロ用 実務電卓 ND-26S」
シャープのおすすめ電卓:実務電卓 ナイスサイズタイプ EL-N942X
シャープの「実務電卓 ナイスサイズタイプ EL-N942X」は、キーを底まで押さなくても軽いタッチで入力ができ、なんと1秒間に20回の入力が可能。
クリアボタンが上にあるため「計算途中に間違えて全部消してしまった」というミスも防げます。
12桁表示ができ、日数計算や時間計算もおこなえ、アンサーチェック機能もついています。
数字は表面ではなく、深くまで印字がされており、キーがすり減っても数字が消えにくいのもうれしいポイントです。
参考:Amazon「実務電卓 ナイスサイズタイプ EL-N942X」
キヤノンのおすすめ電卓:抗菌キレイ電卓 HS-1201T
「上位級は目指すかわからないけど、とりあえず簿記3級を受けてみたい」という人におすすめなのが、キヤノンの「抗菌キレイ電卓 HS-1201T」。
デスクを明るくしてくれる色とスタイリッシュなデザインが目を引きます。
日数計算などはついていませんが、12桁表示が可能です。大画面で見やすいのもいいですね。
機能性が高いわりに価格もお手頃なので、初心者におすすめの電卓です。
参考:Amazon「抗菌キレイ電卓 HS-1201T」
電卓の各キーの使い方
電卓には、数字や+・-などの四則計算キーのほかにも、さまざまなキーがあります。
よく機能がわからず使っていない人もいるかもしれませんが、使い方は簡単なので覚えておきましょう。また、同じキーでもメーカーによって機能が変わることもあるので要注意。
簿記試験でも役に立つ、電卓の使い方を見ていきましょう。
C・CE・CAの違い
カシオの場合は、ACとC、シャープの場合はCとCEとCAのキーがついています。
Cの表記は似ていますが、メーカーによって機能に違いがあります。
- カシオの場合
カシオのACはオールクリア。計算結果をすべて消去したい場合に使用されます。
カシオのCはクリア。直前に打った数字が消されます。たとえば、「1+2+3」と打つと、ACはすべて消えますが、Cは「3」だけが消えるのです。
- シャープの場合
シャープのCはクリアですが、オールクリアとほぼ同じ機能で、計算結果をすべて消去します。
しかし、GTやMなどメモリーされたものはクリアされません。メモリーされたものすべてを消したい場合は、CAと表記のあるクリアオールを使用します。
CEはクリアエントリー。直前に打った数字が消されます。たとえば、「1+2+3」と打っていた場合、Cはすべて消えますが、CEは「3」だけ消えるのです。
その後、「1+2+3=6」と計算結果が出た後に、続けて「4+5」と入力した際、Cは「4+5」の計算のみ消え、CAは「4+5」だけではなく、GTで記憶されていた「1+2+3=6」の計算結果もすべて消えます。
GT(グランドトータルキー)
GTとはグランドトータルの略です。
「=」を押すとGTという文字が画面に出てきます。これは「=」を押すたびに、計算結果が記憶されていき、最後に「GT」を押すと、すべての計算結果が合計される仕組みです。
たとえば「1+2=3」「1+3=4」「1×4=4」と計算の合計を出したいときは、最後にGTを押すだけで「11」と3つの計算結果がでます。
のちほどご紹介するメモリー機能のように、メモリーから減算はできませんが、複数の計算結果を合計したい場合はGT機能が便利です。
%(パーセントキー)
電卓についている%(パーセントキー)は、割合計算・割引計算・割増計算・そして比率計算2つの、計5つの計算ができます。
割合計算
1,000の20%を求めるときは「1,000×20%」と入力します。
「%」を使用しない場合は「1,000×0.02=」の入力になるため、少しだけキーの操作を減らせます。
小数点は普段計算で使用する機会が少なく、打ちにくい位置にあることが多いため、手元を見て打つ人が多いでしょう。
「1,000×20%」のほうが、早く打てるので計算時間の短縮になります。
割引計算
1,000の20%引きを求めるには、カシオの場合「1,000×20%-」と入力します。シャープの場合は「-」のあとに「=」を押してください。
こちらは「1,000×0.8=」と入力すれば求められますが、引いた金額である80%を求めなくてはなりません。簿記試験では細かい%の計算が多く出題されるため、%キーを使用したほうが便利です。
割増計算
1,000の20%増しを求めるには、カシオの場合「1,000×20%+」と入力します。割引計算と同様に、シャープの場合は「-」のあとに「=」を押してください。
こちらは「1,000×1.2=」と入力すれば求められますが、%キーを使用したほうが、操作回数を減らせます。
比率計算
比率計算は2つあります。
1つは、1,000は5,000の何%求めるとき。「1,000÷5,000%」で計算可能です。
こちらは「1,000÷5,000=」に「×100」で求められます。しかし、%キーのほうが操作は少なく済みます。
もう1つは、1,000は800の何%増しなのか求めるとき。「1,000÷800%-100」で計算可能です。
割引だった場合は、マイナスの数値が表示されます。
こちらは「1,000÷800-1=」「×100」で求められますが、やはりほかの計算と同様に%キーを使用したほうが、操作回数が少なく便利です。
√(ルートキー)
√キーを使用すると、選択した数字が何の数字の2乗かすぐにわかります。
つまり、√9は3です(3×3のため)。数字のあとに√キーを押すだけでルートが求められます。
簿記にはあまり関係がなさそうと感じるかもしれませんが、簿記1級の原価計算で使用する問題があります。簿記3級と2級では使用しません。
メモリー機能の使い方
メモリー機能とは、計算結果を記憶する機能。
「M-」「M+」「MR」「MC」など、簿記試験では使えると便利なキーです。
各キーの役割は以下のとおりです。
- 「M-」メモリーから減算
- 「M+」メモリーに加算
- 「MR」記憶した計算結果を合計
- 「MC」はメモリーを消す
たとえば「1+2=3」「1+3=4」「1×4=4」と計算を記憶したい場合は「=」の部分をすべて「M+」キーを押し、最後に「MR」を押すとすべてを足した「11」が計算できます。
メモリー機能の使用中は、電卓のディスプレイに「M」の表示がされます。
いままでのメモリーを消去する場合は「MC」を押しましょう。
定数計算の方法
定数計算とは、決まった数字にさまざまな四則計算を連続しておこなうことです。
定数計算には、定数加算・定数減算・定数乗算・定数除算の4つがあります。
ただし、カシオとシャープでは操作が変わってきます。
たとえば定まった数字が「2」で「2+1」「2+3」「2+4」と定数加算する場合の操作方法を見ていきましょう。
カシオの場合は「2++1=」と入力したあとに「3=」「4=」で求めることができます。
シャープの場合は「+」は1回でOKです。「2+1=」と入力したあとに「3=」「4=」で求めることができます。
同じく減算・乗算・除算も、カシオは「-」「×」「÷」を2回押すことで記憶され、シャープは1回で計算が可能です。
また、同じ数字を加算・減算・乗算・除算したい場合も、便利な機能があります。
たとえば「10」に「2」を5回足したい場合です。
カシオの場合は「2++10=====」で求められます。=キーを押すたびに2が加算されてきます。
シャープの場合は先に元になる数字を押します。「10++2=====」で求められます。
日数計算の方法
「日数(月・日)」のキーがある電卓は、日数計算ができます。
簿記試験では借入金の利息計算などで使用する場合があるため、覚えておくと便利です。
たとえば、3月27日から11月5日まで何日あるのか計算する場合「3日数27~11日数05」と押すだけで日数がわかります。
時間計算の方法
「時間(時・分・秒)」のキーがある電卓は、時間計算ができます。
たとえば、2時10分40秒から10時50分20秒まで、何時間何分何秒あるのかを計算する場合「2時間10時間40時間-10時間50時間20時間=」で求めることができます。
秒単位まであっという間に計算できるのは便利な機能ですよね。
時間計算ができる電卓は限られています。日付計算の機能はついていても、時間計算の機能はない電卓も多いです。
時間計算がしたい場合は、購入時によく機能を確認しましょう。簿記検定では使える電卓が決まっていますが、時間計算の機能がついていても使用できます。
分数計算の方法
減価償却などで活躍する分数計算。
電卓でおこなう場合は、乗算の場合は「÷分母×分子」、除算の場合は「÷分子×分母」で計算可能です。
加算・減算の場合は分母が同じ場合は、分子を計算したあとに分母で割ります。
分母が違う場合は、「分子÷分母」の計算を、メモリー機能の「M-」「M+」「MR」を使用しておこないましょう。
たとえば「2/3+5/8-1/2」の場合、「2÷3」「M+」「5÷8」「M+」「1÷2」「M-」「MR」と計算します。
分数で表示できる電卓もありますが、関数電卓となるため、簿記試験では使用できません。
上記の計算方法を覚えておきましょう。
電卓を早打ちするポイント
簿記試験では時間が限られているため、電卓の早打ちができると見直しの時間が長く取れたり、難しい問題を焦らずゆっくり考えられたりと、メリットがたくさんあります。
電卓を早打ちするポイントとして、姿勢も大切です。背筋を伸ばして、肩からの直線上に電卓を置きます。
基本的には利き手ではペンを持つため、反対の手で打つといいとされています。
しかし、動かしにくいほうの手を使って訓練するよりも、ペンを持ったまま利き手で操作したほうが早打ちできるのであれば、それでも構いません。
また、電卓の早打ちを目標に練習するよりも、簿記の勉強をしながらおこなうことがおすすめです。
簿記の勉強をしながら、電卓の早打ちができるようになるにはどうしたらいいのか、ポイントを見ていきましょう。
問題を解いて、電卓に慣れる
電卓の早打ちをするには、問題を解きながら電卓に慣れていきましょう。
ただし、電卓の早さを追求するあまり、電卓の練習がメインになっては本末転倒です。
あまり電卓の機能を使いこなせていなくても、簿記の知識がしっかりと身についていれば、合格できます。
あくまでも、簿記検定の合格が目的。問題を解きながら電卓の練習をし、優先順位を間違わないようにしましょう。
定期的に電卓を打つ
電卓の練習だけをしなくてもいいと述べましたが、もちろん早打ちができて、電卓の機能を使いこなせているほうが、合格の可能性は高まります。
問題を早く解き、落ち着いて見直し時間も取れるからです。
定期的に電卓に触れるように心がけ、キーの位置を覚えましょう。
同じ電卓を使い続ける
早打ちをしたいのであれば、同じ電卓を使い続けましょう。
電卓は、キーの配置や大きさが電卓によって違います。キーの距離感を手に馴染ませるためにも、同じ電卓を使うことが大切です。
また、キーは常に同じ指で入力することも意識しましょう。
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まとめ
簿記試験には制限時間があります。電卓の機能を理解していると、問題を解くスピードが早くなり、制限時間内で見直しまでしっかりとおこなうことができるでしょう。
わかる問題を先に解いて、難しい問題をゆっくりと解くことも可能です。
ただし、電卓の機能を活用したり、早打ちを極めたりするのはいいことですが、簿記の勉強が疎かになってはいけません。
電卓だけを練習するのではなく、問題を解きながら電卓に慣れていきましょう。
電卓が早く打てるようになっても、ミスが多く合格点に満たない場合は、勉強方法に問題があるのかもしれません。
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