日商簿記1級 全国1位合格の藤木さんに勉強方法のコツを聞いてみた!

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藤木 祥(慶応義塾大学商学部 卒)

2000年生まれ。大学で会計や税務、経営などを学ぶ。第158回試験(2021年6月)合格。令和3年公認会計士試験(短答式試験:5月、論文式試験:8月)合格。

簿記1級を取得した理由

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 日商簿記1級は「公認会計士試験への登竜門」と呼ばれるように、自分の会計の力を確かめるには十分な場であるといえます。もちろん日商簿記1級の合否が公認会計士試験の合否に直接影響するわけではありませんが、今自分がどれだけの会計の力を持っているのか試す上で公認会計士試験とは別の機会を利用できることは、本命である公認会計士試験に臨む上でも有効であると考えました。

 また、既に第152回試験(2019年6月)の簿記3級、第153回試験(2019年11月)の簿記2級に合格していたので、この調子で1級も合格したいという思いを持っていました。2級と1級とでは難易度や合格率に明らかな差がありますが、2級に合格したときから、2級で止まってしまうのは少し勿体ないような気がしていました。

 そして、意外と大きなきっかけだったのが、小学生の頃の卒業文集で「漢字検定1級をとる」と書いたことです。当時は本当に漢字の勉強が好きだったのですが、大学生になって受けた漢字検定準1級で不合格という挫折を味わい、漢字検定1級合格という目標を諦めてしまいました。ただ、代わりに他の検定試験で1級に合格してリベンジしたいという気持ちはずっと持ち続けていました。そこで、漢字検定の代わりに、得意な簿記で1級をとりたいと思うようになりました。

 しかし、新型コロナウイルスの影響による検定試験の中止や会場の人数制限により、受験の機会を3回失ってしまいました。それでもやはり日商簿記1級を受験したいという思いが強かったため、公認会計士試験の勉強をする一方で、日商簿記1級を受験しました。

以下の記事では、日商簿記1級の試験概要について解説しています。簿記1級の取得をお考えの方は是非参考にしてみてください。
簿記1級の合格率が知りたい!取得するメリットや勉強時間はどのくらいかかる?

「下書きを固める」ことが合格の決め手に

 合格の決め手は「下書きを固める」ことだと思います。

 イメージとしては、問題を見て状況を把握したら自然と下書きを始めているような感覚です。連結会計でいえばタイムテーブル、総合原価計算でいえばボックス図、というように、この論点の問題を解くならこの下書きを作る、というような「型」がどの論点もある程度決まっています。出題される可能性の高い重要な論点については、このような「型」を押さえるということが非常に大事です。型を押さえることによって、正確な下書きを常に安定して作れるようになるため、正解できる可能性が格段に高まります。

 ただし、「下書きを固める」というのは「下書きの作り方を暗記する」こととは違います。講義を受けて一連の計算プロセスを十分に理解することで、下書きの仕組みが分かってきますが、最初のうちは頭でぼんやり覚えていても、「どんな下書きを作っていたっけ?」ということになりがちです。同じような下書きを何度も繰り返し作ることによって、最終的には下書きが自然と頭に浮かんで、気づいたら手が動いているような「感覚で下書きを作れる」状態が理想だと思います。そのためには、アウトプットを通じて解法をインプットすることが重要になります。

問題を解くときに具体例をイメージすることが大切

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 問題集などの実践的な問題を解いていて、全く同じ問題に遭遇するということは無いと思います。試験本番も同様で、今まで見たことのない問題を解くことが殆どのはずです。そのような状況で問題と向き合う上で重要となるのが、該当する論点を思い浮かべて、テキストにどんな内容が書かれていたかを思い出すことです。その中でも、特にテキストの具体例(もしくは例題)をイメージすることが大切です。

 テキストの具体例(例題)では数値を用いて実際に計算を行っているため、金額の求め方を思い出すには最適です。そして、そのようなテキストの具体例を思い出すことによって、例えば「あのページの具体例(例題)では確かこんな考え方を用いて未実現損益の金額を求めていたから、この問題でも同じように考えればいいはず」という思考になり、迷いがなくなることでより正解への道筋が鮮明に見えてきます。テキストの具体例(例題)は捻りがなくシンプルな構造なので、問題を解いているときにも思い出しやすく、習った内容を実際に活かす上で、非常に役に立ちます。

ズバリ!1位合格をするための秘訣とは

 継続すること、これに尽きると思います。上述した「下書きを固める」ことや「具体例(例題)をイメージする」ことというのは簡単にできそうですが、定着するまでには意外と時間がかかり、一筋縄ではいかないです。学んだことが一朝一夕に身につくものではないからこそ、地道に続けることがとても大事です。CPAの講師が「変化もなく成果も測れない日々が、いつか大きな変化と成果を生む。」という言葉を残されていたのですが、簿記の勉強はまさにこの言葉の通りだと思います。何も変わらない自分自身に嫌気がさすこともあったのですが、継続的な努力によって積み上げたものは確かな力となって自分を支えてくれました。

 ただし、ただがむしゃらに勉強することが良いというわけではなく、努力の方向性を間違えないようにする必要があると思います。たとえ変化や成果が無くとも、自分自身の感覚や手ごたえとして良い方向に進んでいるという実感があると、きっと後々良い結果をもたらすはずです。

これから日商簿記1級を受験する人へ

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 商工会議所の検定試験の中でも最上級の資格なので壁は高いですが、これを乗り越えると3級や2級の時にはなかった充実感や達成感を味わうことができます。だからこそ、迷ったらぜひ挑戦していただきたいです。挑戦する皆さんの背中を後押しするCPAの講義や教材は凄く質が高いので、CPAが提供するものを信じて勉強を続けていればきっと合格できるはずです。これから挑戦される方を陰ながら応援しております。頑張ってください!

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そのため、講義で説明された論点の会計処理について「理解」することができ、試験の問題にも対応することができます。

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CPAラーニング編集部

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