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営業職時代に訪れたUSCPAとの出会い。どこまでも引き込まれる『会計』の世界

営業職時代に訪れたUSCPAとの出会い。どこまでも引き込まれる『会計』の世界

営業職から経理になり、そして監査法人のアドバイザリーに転向。そんな幅広いキャリア経験をお持ちのS・Yさん。社会人3年目の頃にUSCPAに出会うまでは「監査法人」という言葉も知らなかったというS・Yさんですが、働きながらUSCPAに合格し、現在では資格を活かして監査法人でお仕事をされています。

今回は経理も監査もどちらも経験されたS・Yさんに、経理・監査それぞれの仕事の魅力を伺いました。
働きながら資格を取得されたバックグラウンドに、背中を押される方も多いのではないでしょうか。

プロフィール Profile

名前 :S・Yさん
業界 :物流(営業職)→メーカー(経理)→監査法人(会計アドバイザリー)
所有資格 :USCPA(全科目合格)、日商簿記2級
大事にしているキーワード :人に感謝すること

経歴 Career

2015年 外国語学部の大学を卒業後、国際物流会社に営業職で入社
2019年 メーカーに転職し、経理未経験で連結決算の担当に
2021年 監査法人のアドバイザリーに転職し、今に至る

営業職から目指したUSCPA。社会人3年目で訪れた人生の転機

1社目ではどのようなお仕事をされていたのでしょうか?



国際物流の会社で営業をしていました。外国語学部出身だったので、就活では英語が活かせる仕事を探していまして。  

新卒から会計系のお仕事をされていたわけではなかったのですね!



そうなんです。今思えば、営業時代にやっていた請求書の発行やお客様の荷物の個数管理なんかは会計の末端業務のような感じもしますが、当時は”簿記”という単語すら「聞いたことがある」くらいの知識しかありませんでした。  

そのような状態から、USCPAを取得しようと決意されたきっかけはどんなものだったのでしょうか?



USCPAに出会ったのは社会人3年目のときでした。もともと趣味で入っていた社会人のテニスサークルにたまたま会計士の方がいらっしゃって。「英語が得意ならUSCPAという資格もあるよ」と教えていただいたのが始まりです。 

社会人も3年目になり「この先どうしようかな」と迷う時期でもあったので、『会計×英語×IT=無限大!』といった広告が目に入ってきたときに「一度話だけでも聞きに行ってみよう」と思い予備校の説明会に行きました。  

予備校の説明を聞いてみて、USCPAに対してどのような印象を受けましたか?



会計の仕事は将来食いっぱぐれないということ、そして英語と会計の親和性が非常に高いことが分かりました。話だけ聞きに行くつもりが、そのまま申し込んでましたね(笑)
そこから合格までの約2年間は働きながら勉強を頑張る毎日でした。  

お仕事と勉強の両立、本当に尊敬します。勉強計画はどのように立てていましたか?



手帳に1週間単位で「○○科目のテキスト〇章の問題演習」のように日々学習する内容を書き込んで、それを消し込んでいくことで、1週間の目標を設定していました。手帳を見返すことで自分がどれだけの量をやってきたかを可視化できるようにして。

また平日は1時間半~2時間程度、休日は4時間~6時間ほど勉強時間を確保していたんですが、平日の夜に予定が入ってしまうときは、朝早起きしたりお昼休みに少し勉強するなど、勉強をしない日がないようにしていました。

途中で挫けそうになることはありませんでしたか?



気持ちが折れそうになるときもありましたよ。でもそういうときは、予備校に払った高いお金を意地でも回収する、と自分を奮い立たせていました。  

学びが仕事に活きる喜びを全力で感じた経理時代

今の会計アドバイザリーになる前にもう1社ご経験されているとのことですが、そちらではどのようなお仕事をされていたんですか?



東証一部上場会社の経理部で経理をやっていました。経理の中でも『連結課』という部署で、主に連結決算をやるチームに配属されました。

未経験から連結課への配属…!なかなか珍しいキャリアですね。



運が良かったなと思いますね。新卒の会社を退職して5ヶ月近く無職期間があったので、その間に簿記2級まで取っていたのが良かったのかな。あとは海外に子会社があったので、「英語が使えるなら連結がいいんじゃないか」という流れで配属していただけたように思います。  

経理の仕事はどの程度のレベル、範囲まで経験できましたか?



2社目には1年9ヶ月ほど在籍していたんですが、有価証券報告書を作成するところまで経験させてもらいました。なので一連の決算の流れは把握できたと思います。

他には、子会社の方や監査法人、システム担当などさまざまなポジションの方とのコミュニケーションの取り方も学ばせてもらいました。経理の周りには財務がいて、人事も関係していて、営業とはどのようにコミュニケーションをとるのが良くて…といった経理のいろは的なものは、前職で身に付いたんじゃないかなと思います。

伝票を会計システムに入力したり、請求書を送ったり、入金確認をしたり、といった単体の実務を学ぶ機会はなかったので、主に連結においては、といったところですが。

経理になってみて、何をやりがいにお仕事をされていましたか?



一番の喜びは、勉強していたことが実務に活きることでした。USCPAの勉強を始めてからは「会計の仕事がしたい!」と思っていたので、「ちゃんと書類の計算があってる!」とか「勉強している勘定科目がここにある!」とか、会計の仕事ができているそのこと自体に喜びを感じていました。仕事で電卓を叩けることも嬉しかったし、本当に、何もかもが楽しかったです。

心底楽しいと思える仕事、最高ですね!連結担当ならではの楽しさはありましたか?



英語を使って海外の子会社の方と話をするのですが、こちらからお願いしたいことを伝えたり、あちらが困っていることをヒアリングしたりして、それが最終的に親会社の有価証券報告書に反映される。そういった繋がりを感じられるのがやりがいでしたね。

先輩に教えてもらいながら試行錯誤を繰り返して、最後に製本化されたものを見たときは、途中のしんどさも吹き飛ぶくらいの達成感がありました。未経験でしかも1年目なのに、有価証券報告書の作成をメインにやらせてもらえたこと、「やりたい」と言えばやらせてくれる会社に入れたことは、本当にありがたい経験でした。

当時の話を色々な場ですると、どこに行っても「え、1年目で開示やったん?」みたいな反応をされますよ(笑) 本当にいい経験ができました。  

数字という言語で人を繋ぐ。無限に広がる会計の可能性

努力が実りUSCPAに合格されてからは、どのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか?



貴重な経験をさせてもらった前職でしたが、ずっと「USCPAに受かったら監査法人のアドバイザリーに行きたいなぁ」と思いながら勉強をしていたので、興味のあった監査法人へ転職しました。給与が上がるのはもちろんですが、何より監査を受ける側だった時代に「かっこいいな」と憧れていたので、ダメ元で受けてみようと思って。  

実際入社してどのような業務をされているのでしょうか?


 

決算のお手伝いをしたり、新しい会計基準を適用する際に導入サポートをしたり、IFRS導入のプロジェクトに入らせてもらったり。お客様先の経理担当の方の手が届かないところを一緒にやる、みたいなイメージですかね。

スタッフ職として入社して1年、今は飛び級してシニアになりましたが、周りが経験豊富な会計士さんなので、この先活躍し続けるためには自分の強みを持っとかないとな、と思っています。  

経理職の面白さもご存知のS・Yさんですが、会計アドバイザリーという仕事の魅力はどんなところに感じていますか?



経理という職種は相手との関わり方にある程度限りがあると思っているんですが、アドバイザリーはまずお客様先に訪問しますし、プロジェクト単位で動くので社内でも色んな方と仕事ができるんですよね。それに、人だけじゃなくて多種多様な事業に触れ合えたりするのが楽しいです。まだこの先の将来のことなんて深く考えられてるわけじゃないけど、今はとにかく頑張らないとと思っています。

最後に、S・Yさんにとっての経理・会計の仕事とは?



周りに起こっている事象を、数字・会計という”言語”で表現する。これが僕のモットーです。人って何かを表現するときに、言語・言葉を使うじゃないですか。同じように、会社で起きている事象を表現するのが会計という言語なんです。それがすごく好きで。

『会計』という言語で身の回りのことを表現する職人でいたいなと思っています。

S・Yさん的、経理に大事な3つのスキル

  • 1. コミュニケーション力(と言うとチープに聞こえちゃいそうで嫌だけど、経理は一人で完結する仕事じゃないので、本当に大事!)
  • 2. Excelに抵抗がないこと!開かない日はないので…
  • 3. 几帳面に仕事ができること(フォントが違うとか、カンマが付いてないとか、細かいけどそういうところ)