会計事務所からベンチャーに転職。数字の先を生み出す経理になるために、今やりたいこと
「やりたいことが多すぎてキャリア迷子なんです」。
そう話すのは、現在社会人6年目の現役経理K・Aさん。K・Aさんは新卒から経理になったのではなく、会計事務所での就業を経て、現在IPO準備中のベンチャー企業で経理を務めています。
「会計事務所と事業会社の経理はどんなところが違うの?」
「ベンチャー企業で経理をやる魅力って何?」
そんなあなたは、ぜひK・Aさんの経験を参考にしてみてくださいね!
プロフィール Profile
名前 :K・Aさん
業界 :留学サービス業
所持資格 :日商簿記2級
大事にしているキーワード :”責任を持つ””やれることは何でもやる”
経歴 Career
2018年
商業高校卒業後、新卒で会計事務所に入社
2021年
ベンチャー企業(IPO準備中)に転職
2022年
別のベンチャー企業(IPO準備中)に転職
原点は、高校の授業。「簿記」を「仕事」にする方法
1社目は会計事務所にお勤めだったとのことですが、新卒からなぜ会計事務所を選ばれたのでしょうか?
商業高校出身なんですが、授業で簿記を学んで「簿記って面白いな」と思ったのがきっかけです。「これ(簿記)を仕事にするにはどうしたらいいのかな?」と考えて、行きついたのが会計事務所でした。
会計事務所では具体的にどんなお仕事をされていたんですか?
申告書を作って月次決算をして、という流れの繰り返しです。個人のお客様を40件弱、法人のお客様を20件ほど担当していて、実際にお客様に会いに行って、そこで仕事をして戻ってきて、といった生活をしてましたね。
会計事務所から事業会社へ転職をしようと思ったのはどうしてですか?
会計事務所で3年も業務をすると、一通りできるようになってくるんです。だから同じことを繰り返す日々に飽きてしまって…。
「次は会社の事業に入り込んで働きたい!」と思って、IPOの準備をしていたベンチャー企業に転職をしました。
事業会社の中でも、ベンチャー企業を選ばれた理由は?
できることを増やしたかったので、どうしてもベンチャー企業に行きたかったんです。ベンチャーってきっとどこも「何でもやらなきゃ」という状態だろうなと思っていたので、その分色んな経験が積めると思って。
それに、会社の規模が大きすぎると事業の全体が見えなくなるのが嫌だったんです。自分が計上する売上の話って、事業を理解していないとなかなか見えてこないと思っていて。
別にそれでも仕事ができる人はいるのかもしれないけど、私は理解したいと思えない事業には熱が入らないタイプなので…(笑)
事業そのものも面白いなと思えたので、前職に入社を決めました。
実際に「何でもやらなきゃ」といった環境でしたか?
経理業務、内部統制、証券会社・監査法人の対応、会社が会社として成り立つための構築…。あとは開示業務も一通り経験させてもらって、有価証券報告書の手前のものまで作らせてもらっていました。
恐らく仕入れと採用以外は何でも経験させてもらいましたね。
IPO準備中のベンチャー企業で経験できる、経理業務の幅広さ
2社目では望んでいた「何でもできる環境」を手に入れられたのかなと思いますが、次の転職を意識されたのはどうしてでしょうか?
2社目に入社したときに、すごくお世話になった会計士の上司がいたんです。一緒に働けたのはたったの1ヶ月だけだったんですが「この業務は何でやらなきゃいけないのか」から教え込んでくれたり、良いところも改善すべきところもちゃんとフィードバックしてくれたり、辞められたあとも相談に乗ってくれたり…。
事業会社の経理は2社目が初めてだったのにも関わらず、上場準備にも携わらせてもらって。その中で得た経験をもとに「もう少し何も無い段階から作っていくのも楽しそうだな」という気持ちが芽生えてきて、転職を意識し始めました。
それで本格的に転職を考え始めた時に、その上司から今の職場を紹介してもらいまして。純粋に「またその上司と働きたい」という気持ちもあったのと、事業がすごく面白そうだったんです。話を聞いていて、どういうタイミングで売上がつくのかが想像できたというか。「この事業の中に入り込んで働けたら楽しいだろうな」と思って、転職を決めました。
実際入社してみていかがですか?
楽しいです!前の仕事も楽しかったのですが、「何でもやる」は変わらないまま、少し範囲が狭くなった感じですね。今の会社もIPO準備をしているので、経理業務とIPO準備業務の両方を担当しています。
「仕事が楽しい!」って、どんな瞬間に感じますか?
今だと、幅広くやれているのが楽しいんだろうなって思ってて。有価証券報告書や決算短信の書類を練習で作れたり、開示のトライアルができたり…。そういう一から作っていく段階が楽しいんだと思います。
経理じゃなくて労務の問題、法律の問題が混ざってきたり、新しいプロジェクトの情報や「この案件が受注できそう!」とか、そういったまだ確定していない情報が先に入ってくるのも面白いですよ。
やりたいことだらけの経理人生。この先は、どうなりたい?
今たくさんのことを経験されている状態ですが、経験を積んだ先にはどんなことをしたいですか?
正直、これ!っていうのはまだなくて。一旦全部経験して、そこから自分が進むキャリアを決めたいと思ってます。社会人6年目になって、好きじゃない業務も出てきたので、そういうのをどんどん省いて行ったらやりたいことが見つかるのかなぁって。それまではいろいろ手を出したいです!
経理以外の仕事に興味があったりも…?
経理からは出ないと思います!数字を扱うことから外れる気はなくて。今自分がまだ手をつけていなくて興味のある分野だと、ファイナンス、資金調達、IRあたりですね。
今の会社の役員に「この先どうなりたい?」と聞かれたのがきっかけで、「それなら一回IRやりなよ」と言ってもらえたんです。でも新たに経験を積んでいくと「連結もやってみたいなぁ」とかまた違うものに興味が芽生えたり。やりたいことが多すぎて、キャリア迷子です(笑)
ポジティブなキャリア迷子ですね!やりたいことを後押ししてくれる上司の存在も大きいのかもしれませんね。
そうなんです。「会社にとって価値になる部分を担っていきなさい」「数字を作って終わりではなくて、その先を生み出せるようになりなさい」って言ってくれる上司がいるので、楽しく働けています。
K・Aさんの「これから」の話を伺うのもすごく楽しみです!引き続き近況を教えてくださいね!今日は貴重なお話をありがとうございました!
K・Aさん的、経理に大事な3つのスキル
- 1. 相談してもらいやすい環境をつくること(何かあったときに、「あの人に相談しよ」って思われる存在でいることが大事)
- 2. 会計知識よりも大事なんじゃないかと思うくらい、Excel!
- 3. 何でも取り組むよ!という姿勢