特徴

新興上場企業とは、新興企業（いわゆるベンチャー企業）でありながら、東京証券取引所（東証）のグロース市場などに上場する企業の総称です。ベンチャー企業の機動力やスピード感を持ちながらも、上場企業としてふさわしい水準で管理部門を運営することが求められます。
業務としては、四半期ごとの決算やステークホルダー（株主など）への説明報告など、上場以前にはなかった業務が、新たに生じるのが特徴です。
また、新興上場企業の場合は、大手企業に比べると業務が細分化されていないことが多いので、網羅的に業務を経験できる可能性が高いです。上場企業に求められる高い水準の業務を幅広く経験することで、次のキャリアの選択肢も広がるでしょう。

働く環境としては、ベンチャー企業の延長線上といった色合いが強く、上場によって調達した資金を投資に回して更なる拡大を目指すフェーズにあるため、依然として忙しさや緊張感が続くことが多いです。一方で、上場準備期間と比べると比較的落ち着いてくる企業もあります。
柔軟な働き方ができる制度や、ユニークな福利厚生を売りにしている企業もありますが、大手企業ほどの充実度は期待できないため、良くも悪くも、上場企業とベンチャー企業双方のメリット・デメリットをあわせ持っていることを認識しておくことが大切です。

評価されるスキル

経理として活躍するなら、日商簿記2級・1級、公認会計士や税理士といった資格が評価されます。ただし、新興上場企業では部門の細分化が進んでいないことも多いため、人事・総務・法務・労務といった経理以外のスキルも身につけておくと大いに役立つでしょう。
また、新興上場企業は業務フローの整備を進めていく段階になるので、部下育成などのマネジメント経験やコミュニケーション能力も高く評価されます。